ONKYO D-112Eレビュー(D-022Aと比較)

ONKYO D-112E 中古で購入してしまった。はじめは愛車の貧弱な音響を改善するため、リアシートの足元に天井向きに転がしておくためのリアスピーカーとして、中古の2,000~3,000円位の家庭用スピーカーを購入するつもりでした。
近所の中古屋さんに行くとONKYO D-S7GXがあり、候補として考えましたが、天井向けてフロアに転がす使い方では背面のバスレフポートを塞いでしまうため残念ながら却下。
その隣にはONKYO D-112Eが置いてあった。2,000~3,000円の中途半端なスピーカー買うくらいなら、多少の傷は付いていますが、8,000円位でもう少し良さそうなものを購入した方が良いかも?と、つい色気を出してしまい勢いで購入。
思えば初めて買ったコンポはONKYO D202+MOS-FETプリメインアンプという組み合わせでしたが、次第に大音量で聴くことも少なくなり、Hi-Fiオーディオの熱も冷めて、最終的にはONKYO MA-500U+D022Aというコンパクトな組み合わせに落ち着いてしまっていました(むしろ最近は良い音を持ち歩け、かつ遮音できる、Bluetoothヘッドホンアンプ(Fiio BTR1K)+カナル型イヤホン(SE535LTD-JやRHA CL750など)がお気に入り)。
せっかく少し高級なものを買ったので、家のシステムで再生してみることに。

愛用のD-022Aと並べてみたところ、D-022Aの方がエンクロージャーの容積は大きい模様。

スピーカーを重ねて比較した写真。上がD-022A、下がD-112E。エンクロージャーの容積はD-022Aの方が大きいことが見てわかる(D-022A:4.8L、D-112e:4.2L)。ウーファーユニットはD-022AがOMF(ONKYO Micro Fiber)ダイアフラムを用いた12cmコーン型、D-112EはA-OMFモノコックコーンによる10cmコーン型。バスレフポートはD-022Aが背面で円形ダクト、D-112eは正面底部のスリット型による独自技術「アドバンスド Aero Acoustic Drive」。全体の作りはD-112Eの方が重量感があり(D-022A:3.0kg、D-112e:4.1kg)、堅牢なつくりでバナナプラグ対応ネジ式端子。価格の差(D-022A:28,000円、D-112e:42,000円)が表れている。
D-022Aは小さいけどとてもバランスの良いスピーカーです。onkyoのスピーカーに共通することですが、女性ボーカルや弦楽器の表現は秀逸でとても艶のある音色を奏でてくれます。
高音もサランネット着用で爽やかな感じで綺麗です。

上の写真は、デジタルアンプの走りである、onkyo MA-500U USBオーディオアンプ。2002年に購入しましたがまだまだ現役です。PCとUSBで接続し、youtube・Amazon Prime Video・iTunesなどをノイズなく綺麗に再生してくれます。デスクトップで使用する分には15W+15Wで必要十分な出力。
D-112Eを再生してみると・・・
おお!女性ボーカルの定位が半端ない!!D-022Aも小型スピーカーの長所を生かし定位が良い方だと思っていたが、D-112Eはビシッと『点』で決まります。それに比べるとD-022Aはもやっとした『小円』です。
これがリングトゥイーターとソフトドーム型トゥイーターの違いなのでしょうか。シンバルなどの打楽器はカツンとやや硬質な感じ。ただ嫌味のあるキンキンした音ではない。音が締まっている反面、中低音の量感はD-022Aに比べ不足している感じ。これはウーファーユニットの口径とエンクロージャー容積・バスレフポートの形状の違いがそのまま表れているようです(恐らく低音の質としてはD-112Eの方が良いのでしょうが、いかんせん圧倒的に量感の不足を感じます)。音の洪水となるオーケストラやロックもやや苦手な感じです。比較的はっきりとした音のするユーロビートや少人数編成の室内楽やジャズなどでは一音一音がはっきりと描写され、思わず笑みがこぼれるほどです。
D-112Eの驚くほどの高音の定位能力は特筆すべきものですが、音楽としてバランスよく聴かせるのはD-022Aだと思います。他のブログなどでもD-112Eのポテンシャルはとても高いが、スピーカーとしてまとまっていないようなことが書かれていましたが、その通りだと思います。D-022Aの中低音はこのサイズのスピーカーとしてはかなり頑張って出る方で、嫌味のない爽やかな高音と、艶のある中音と合わせて、改めてCPの高い製品だと再認識しました。デスクトップに置けるスピーカーとして今後も長い付き合いとなるでしょう。浮気してゴメンね。
かくしてD-112Eは、なんとも贅沢な使い方ですが、自動車のリアスピーカーとしてリアシートの足元に置かれる運命に・・・(関連記事:家庭用オーディオスピーカーをリアスピーカーとして車載してみた)。